○長和町議会基本条例

平成30年9月21日

条例第18号

目次

第1章 総則(第1条)

第2章 議会及び議員の基本原則(第2条―第5条)

第3章 議会と町民との関係(第6条・第7条)

第4章 議会と町長等との関係(第8条―第10条)

第5章 議会運営と議会機能の強化(第11条―第16条)

第6章 政務活動費(第17条)

第7章 議員報酬(第18条)

第8章 議会改革の推進(第19条)

第9章 最高法規性(第20条)

第10章 検証及び見直し(第21条)

第11章 補則(第22条)

附則

(前文)

長和町議会(以下「議会」という。)は、二元代表制の一方の担い手として、長和町民(以下「町民」という。)の意思を的確に町政に反映し、長和町としての最良の意思決定を行い、町民全体の福祉の向上を実現する使命を負っている。議会は、町民の多様な意見を代表する合議制の議事機関としての権能を十分に駆使し、町民の信託に応え、地域における民主主義の発展と真の住民自治の実現のために、その役割を果たさなければならない。

議会は、長和町民憲章及び長和町住民自治基本条例を尊重し、町民との信頼関係と協働の精神を基本に、町長との健全な緊張関係を保持し、自由闊達な討議を通して、町政の監視及び評価機能を十分に発揮し、政策の立案、決定、執行及び評価における論点や争点を発見し、広く町民に明らかにする責務を有している。

これら議会が持つ責務と使命を実現するため、議会の公平性と透明性を確保し、議員相互の自由な討議の展開、政策活動へ町民が参加する機会の確保及び議員の自己研鑽と資質の向上等を図ることにより、町民に開かれ、信頼され、町民とともに行動する議会及び政策提言ができる存在感のある議会を築くために、不断の議会改革に努めることを決意し、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、議会及び長和町議会議員(以下「議員」という。)の活動の活性化と充実のために必要な議会活動の基本事項を定めることにより、長和町の持続的発展と町民全体の福祉の向上に寄与することを目的とする。

第2章 議会及び議員の基本原則

(議会及び議員の責務)

第2条 議会及び議員は、日本国憲法並びに地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法律」という。)が定める概括的な規定、本条例に定める理念及び原則並びにこれらに基づいて制定される条例及び規則等を遵守し、町民を代表する合議制の機関として、町民全体の福祉の向上のために、町民に対する責任を果たさなければならない。

(議会の活動原則)

第3条 議会は、主権が町民にあり、町民を代表する議事機関であることを常に自覚し、次に掲げる基本原則に基づいて活動する。

(1) 公正性、透明性及び信頼性を確保し、町民に開かれた議会を目指すこと。

(2) 町民の多様な意見及び要望の把握に努め、町長等に対し、町民の意思が反映された適切な行財政運営が行われているか、監視及び評価するとともに、政策の立案、提言並びに条例提案等を積極的に進めるよう努めること。

(3) 議会が言論の府であることを十分に認識し、意思決定に当たっては、議員相互の自由闊達な討議を重んじ、論点及び争点を明らかにするよう努めること。

(4) 町民に分かりやすい、開かれた議会運営に努め、議会への町民の参加を保障すること。

(議員の活動原則)

第4条 議員は、議会を構成する一員として、次に掲げる基本原則に基づいて活動する。

(1) 議会が合議制の機関であることを十分に認識し、議員相互の自由な討議の推進に努めること。

(2) 議会における意思の表明に当たっては、独自の調査研究を行い、広く町民の意見を聴取し、政策提言及び議会審議に生かすよう努めること。

(3) 町民から負託された責務を深く自覚し、自己の能力を高める不断の研鑽によって、町民の信頼に応える活動をすること。

(4) 個別的な事案の解決だけでなく、町民全体の福祉の向上を目指して活動すること。

(議員の政治倫理)

第5条 議員は、町民の負託に応えるため、高い倫理的義務が課せられていることを自覚し、公職選挙法等の法令を遵守するとともに、良心と責任感を持って行動し、議員の品位を保持し、識見を養うよう努めなければならない。

第3章 議会と町民との関係

(情報の公開)

第6条 議会は、町民に対して議会活動に関する情報を公開し、議決責任及び説明責任を果たさなければならない。

2 議会は、議案等に対する議員個々の態度を議会広報等で公表し、議員の活動に対して町民の評価が的確になされるよう、情報の提供に努める。

3 議会は、本会議のほか、委員会及び全員協議会を原則として公開するものとする。

4 町民の知る権利を保障するために、議会の広報活動を充実させ、町民が町行政と議会に関心が持てるよう努める。

(町民参加及び町民との連携)

第7条 議会は、町民と議会との交流を深め、連携を強めるために、町民と議会との懇談会等を多様な形態で開催し、広く町民の意見を聴取し、議会活動に反映させるよう努める。

2 議会は、町民、町民組織及び町内外の団体等との意見交換の場を設け、議会及び議員の政策能力の向上に資するとともに、政策提案の拡大に努める。

3 議会は、本会議及び委員会の運営に当たり、参考人制度並びに公聴会制度を十分に活用して、町民の専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させるよう努める。

4 議会は、請願及び陳情の審議において、請願及び陳情の権利を十分に尊重するために、提出者の意見を聴く機会を設けることができる。

第4章 議会と町長等との関係

(議会と町長等との関係)

第8条 議会は、議会審議における町長等との健全な緊張関係の保持に努め、事務執行の監視、評価及び政策の提言を行う。

2 本会議における議員と町長等との質疑応答は、広く町政上の論点及び争点を明確にするため、一問一答方式で行う。

3 町長等は、本会議、委員会及び全員協議会における議員の質疑又は質問に対して、議長の許可を得て、当該質疑又は質問をした議員にその主旨を確認することができる。

(政策形成過程等の説明)

第9条 議会は、町長等が提案する重要な政策、施策、計画及び事業等(以下「政策等」という。)について、議会審議における論点を整理し、当該政策等の水準を高めるため、町長等に対し、次に掲げる事項について説明を求めることができる。

(1) 政策発生の根拠

(2) 提案に至るまでの経緯

(3) 他の自治体の類似する政策との比較検討

(4) 町民参加の実施の有無とその内容

(5) 総合計画との整合性

(6) 法令及び条例等との関係

(7) 広域行政との整合性

(8) 財源措置及び将来にわたるコスト計算

(9) その他議会が必要と判断する事項

(予算・決算における政策説明資料の提出)

第10条 議会は、予算及び決算の審議に当たっては、前条の規定に準じて、町長等に対し、分かりやすい施策別又は事業別の説明資料を提出するよう求めることができるものとする。

第5章 議会運営と議会機能の強化

(自由討議の充実による論点、争点の整理)

第11条 議長は、議会が議員による討議の場であることを十分に認識し、議員相互の自由討議の充実に努め、円滑で効率的な議会運営に努める。

2 委員会及び全員協議会において議案審議等の結論を出す場合、議員相互の自由討議を尊重して議論を尽くして論点及び争点の整理に努める。

3 議員は、自由闊達な討議を経て、政策、条例及び意見書等の議案を積極的に提出するよう努める。

4 議会は必要に応じて、弁護士及び税理士などの専門家の協力を求めることができる。

(議員研修の充実)

第12条 議会は、議員の理論政策能力の向上、特に政策立案能力を高めるために、議員研修を充実強化する。

2 議会は、議員に本条例の理念を浸透させるため、一般選挙を経た任期開始後、速やかに本条例に関する研修を行う。

3 議会は、議会及び議員の資質の向上、情報の交換を図るために、他の自治体の議会との交流会や研修会等に積極的に参加し、その内容を報告するとともに、政策形成に資するよう努める。

(議会広報広聴の充実)

第13条 議会は、町政に係る重要な情報を、議会独自の視点から、常に町民に対して分かりやすく周知するよう努める。

2 議会は、情報通信技術(ICT)の発達を踏まえた多様な広報広聴手段を活用することにより、多くの町民が議会及び町政に関心をもつよう議会広報広聴活動の充実強化に努める。

(議会図書室)

第14条 議会及び議員の調査研究に資するため、議会図書室の図書等の充実を図り、有効活用に努めるとともに、これを議員のみならず、町民及び町職員の利用に供するものとする。

(議会事務局)

第15条 議会は、議事運営の円滑化、議会及び議員の政策形成並びに立案機能を高めるため、議会事務局の調査及び政策法務の機能を積極的に強化する。

(議員定数)

第16条 議員の定数は、別に条例で定める

2 議員定数の改正に当たっては、町政の現状と課題、将来の予測と展望を十分に勘案するとともに、議会活動及び議員活動の評価等に関して、広く町民の意見を聴取する。

3 議員定数の条例改正案は、法律第74条第1項の規定による町民の直接請求があった場合を除き、正当な改正理由を付し、必ず議員が提案するものとする。

第6章 政務活動費

(政務活動費)

第17条 議員は、長和町議会政務活動費の交付に関する条例(平成22年条例第16号)の規定により交付を受けた政務活動費を有効に活用し、積極的に調査研究を行うものとする。

2 議員は、政務活動費を適正に執行し、常に町民に対して使途の説明責任を負う。

第7章 議員報酬

(議員報酬)

第18条 議員報酬は、別に条例で定める。

2 議員報酬の改正に当たっては、町政の現状と課題及び将来の予測と展望を十分に考慮するとともに、議会活動及び議員活動の評価等に関して、町民の意見を広く聴取する。

第8章 議会改革の推進

(議会改革の推進)

第19条 議会は、地域の情勢や時代の趨勢に対応した地方議会のあり方を常に議論し、継続的な議会改革の推進に努める。

第9章 最高法規性

(最高法規性)

第20条 この条例は、議会運営の最高規範であり、議会に関するいかなる条例及び規則等もこの条例の理念に従うものでなければならない。

2 議会は、この条例に定める事項を尊重するとともに、議会に関する現行の条例及び規則等の見直しを行い、体系化を図るよう努める。

第10章 検証及び見直し

(検証及び見直し)

第21条 議会は、不断の議会改革に努めるとともに、この条例の目的が達成されているか、社会情勢の変化及び町民の意見を踏まえ、2年に1度以上、全議員で検討及び検証を行う。

2 議会は、検証の結果、改正が必要と認められる場合には、速やかに適切な措置を講ずる。

3 議会は、この条例を改正する場合は、本会議において改正の理由及び背景を説明しなければならない。

第11章 補則

(委任)

第22条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は別に定める。

附 則

この条例は、平成30年10月1日から施行する。

長和町議会基本条例

平成30年9月21日 条例第18号

(平成30年10月1日施行)

体系情報
第2類 議会・選挙・監査/第1章
沿革情報
平成30年9月21日 条例第18号