○長和町認知症初期集中支援推進事業実施規則

平成29年12月1日

規則第18号

(趣旨)

第1条 この規則は、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域の良い環境で暮らし続けるために、認知症の者及びその家族を早期に支援する認知症初期集中支援チーム(以下「支援チーム」という。)を設置し、早期診断・早期対応に向けた体制を構築して、認知症初期集中支援を実施することを目的とした長和町認知症初期集中支援推進事業(以下「事業」という。)の実施に関し、必要な事項を定めるものとする。

(実施主体)

第2条 事業の実施主体は長和町とする。ただし、町長は、適切な事業運営を確保することができると認める団体等(以下「実施団体」という。)に事業の一部を委託することができる。

(支援チームの組織)

第3条 支援チームは、専門職2人以上、専門医1人以上の計3人以上をもって組織する。

2 専門職は、次の要件を全て満たす者とする。

(1) 保健師、看護師、准看護師、作業療法士、歯科衛生士、精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士その他の医療、保健又は福祉に関する国家資格を有する者

(2) 認知症ケア又は在宅ケアの実務又は相談業務等に通算3年以上携わった経験がある者

(3) 国が定める認知症初期集中支援チーム員研修(第4項において「研修」という。)を受講し、認知症に関する事業の実施に必要な知識及び技能を修得した者

3 専門医は、次の要件のいずれかに該当する者とする。

(1) 公益社団法人日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした臨床経験が通算5年以上の認知症サポート医

(2) 公益社団法人日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした臨床経験が通算5年以上の医師であって、今後5年間で認知症サポート医研修を受講する予定のある者

(3) 認知症サポート医であって、認知症疾患の診断、治療に5年以上従事した者

(認知症疾患医療センター等の専門医と連携を図っている場合に限る。)

4 前3項に定めるもののほか、町長が必要があると認めるときは、研修を受講したチーム員がその受講内容をチーム内で共有することを条件として、第2項第1号及び第2号に該当し、かつ、研修を受講していない者をチーム員とすることができる。

(支援チームの役割)

第4条 支援チームは、認知症に係る専門的な知識及び技能を有する医師の指導の下、複数の専門職が、訪問支援対象者及びその家族に対し、訪問、観察・評価、家族支援等の初期の支援を包括的かつ集中的に行い、自立生活のサポートを行うものとする。

2 支援チームは、地域包括支援センター職員、かかりつけ医、認知症サポート医、認知症に係る専門的な知識及び技能を有する医師、介護事業者等との連携を常に意識し、情報が共有できる仕組みを確保する。

(支援チーム員の役割)

第5条 第3条第2項に定める専門職は、目的を果たすために訪問支援対象者の認知症の包括的観察、評価に基づく初期集中支援を行うために訪問活動等を行う。

2 第3条第3項に定める専門医は、他のチーム員を支援し、認知症に関して専門的見識から指導、助言等を行う。また、必要に応じてチーム員とともに訪問活動を行い、訪問支援対象者及びその家族などの相談に応じる。

(訪問支援の対象者)

第6条 訪問支援の対象者となる者(以下「訪問支援対象者」という。)は、町内に住所を有し、原則として、40歳以上で、在宅で生活しており、かつ、家族の訴え等により認知症が疑われる者又は認知症と診断された者で、次の各号のいずれかに該当する者とする。

(1) 医療サービス若しくは介護サービスを受けていない者又は中断している者で次のいずれかに該当する者

 認知症疾患の臨床診断を受けていない者

 継続的な医療サービスを受けていない者

 適切な介護サービスに結び付いていない者

(2) 医療サービス又は介護サービスを受けているが、認知症の行動・心理症状が顕著なため、その家族が対応に苦慮している者

(事業の内容)

第7条 支援チームは、次に掲げる事業を行うものとする。

(1) 支援チームに関する普及啓発

 地域住民や関係機関・団体に対し、支援チームの役割や機能について広報活動や協力依頼を行う等、実情に応じた取り組みを行うものとする。

(2) 認知症初期集中支援の実施

 訪問支援対象者の把握

訪問支援対象者の把握については、支援チームが地域包括支援センターや地域の関係機関等経由で訪問支援対象者に関する情報を入手できるように配慮することとし、チーム員が直接訪問支援者に関する情報を知り得た場合においても、地域包括支援センターや地域の関係機関等と情報共有を図るものとする。

 情報収集及び観察・評価

支援チームは、本人のほか家族等のあらかじめ協力の得られる人が同席できるよう調整を行い、本人の現病歴、既往歴、生活情報等に加え家族の状況等を情報収集すること。また、信頼性、妥当性の検証がされた観察・評価票を用いて、認知症の包括的観察・評価を行う。

 初回訪問時の支援

認知症初期集中支援チーム員(以下「チーム員」という。)は、初回訪問時に、認知症の包括的観察・評価、基本的な認知症に関する正しい情報の提供、専門医療機関への受診や介護保険サービスの利用の効果に関する説明及び訪問支援対象者やその家族の心理的サポートや助言等を行う。

 チーム員会議(専門医が参加するものに限る。)の開催

支援チームは、初回訪問後、訪問支援対象ごとに、観察・評価内容を総合的に確認し、支援方針、支援内容、支援頻度等を検討するため、専門医を含めたチーム員会議を行う。必要に応じて、訪問支援対象者のかかりつけ医、介護支援専門員、地域包括支援センター職員、町関係課職員等の参加を依頼する。

 初期集中支援の実施

(ア) 支援チームは、医療機関への受診が必要な場合の訪問支援対象者への動機付けや継続的な医療サービスの利用に至るまでの支援、介護サービス利用等の勧奨・誘導、認知症の重症度に応じた助言、身体を整えるケア、生活環境等の改善等の支援を行う。

(イ) 当該支援について、チーム員会議において検討した事項等を確認、変更、追加又は終了する場合は、チーム員会議を開催する。

(ウ) 支援期間は、訪問支援対象者が医療サービスや介護サービスによる安定的な支援に移行するまでの間とし、概ね最長で6箇月とする。

 支援チームから介護支援専門員等への引継ぎ後のモニタリング

(ア) 支援チームは、初期集中支援の終了をチーム会議で判断した場合は、地域包括支援センター等と同行訪問を行う等の方法で円滑に引継ぎを行うこととする。

(イ) チーム員会議において、引き続きの2箇月後に、サービスの利用状況等を評価し、必要性を判断の上、随時モニタリングを行う。

 記録等の保管

訪問支援対象者に関する情報、観察・評価結果、初期集中支援の内容等を記録した書類は5年間保管しておくこと。

(3) 長和町認知症初期集中支援チーム検討委員会(以下「検討委員会」という。)の開催

(検討委員会の設置)

第8条 支援チームの設置及び活動状況等について検討するため、検討委員会を設置する。

(実績報告)

第9条 実施団体は、委託を受けた事業の実施状況を月ごとに取りまとめ、当該月の翌月に、町長に対し、実績報告を行わなければならない。

(守秘義務等)

第10条 チーム員は、職務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

2 本事業に関して取り扱う個人情報は、長和町個人情報保護条例(平成17年条例第19号)長和町個人情報保護条例施行規則(平成17年規則第18号)、その他関係法令に基づき、適正に取り扱わなければならない。

(その他)

第11条 この規則に定めるもののほか、事業実施に関し必要な事項は、町長が定める。

附 則

(施行期日)

1 この規則は、平成30年4月1日から施行する。ただし、第3条第3号及び第8条の規定は、平成29年12月1日から施行する。

(準備行為)

2 事業を実施するために必要な準備行為は、この規則の施行前においても行うことができる。

長和町認知症初期集中支援推進事業実施規則

平成29年12月1日 規則第18号

(平成30年4月1日施行)