
Topic産後の体組成の変化
「体重は戻ったはずなのに、なんとなく体が重い」「疲れやすくなった」「冷えやすい・肩がこる」そんな違和感を感じているママさんは少なくありません。
一般的に“産後”というと出産直後の時期を思い浮かべがちですが、実際には育児が続く数年間、からだは少しずつ変化し続けています。授乳や抱っこ、寝不足、抱っこ紐での生活、前かがみ姿勢の積み重ね・・・。これらは体重計の数字には表れにくいものの、からだの「中身」には確実に影響しています。
今回は、産後のからだを体重ではなく「体組成」という視点からお伝えします。

■ 体重が戻っても「からだの中身」は別もの
産後、「体重は妊娠前に戻った」という声をよく聞きます。しかし、体重が同じでも、からだの中身が同じとは限りません。からだは主に、筋肉・脂肪・水分・タンパク質などで構成されています。妊娠・出産を経る中で、特に変化しやすいのが筋肉量と水分バランスです。育児中は十分な睡眠や運動の時間が取りにくく、無意識のうちに筋肉が減りやすくなります。その結果、代謝が下がり「疲れやすい」「冷えやすい」と感じることがあります。また、体脂肪が増えていなくても、筋肉が減ることでからだのラインや姿勢が変わり、「なんとなく違う」と感じる原因になることも。体重だけでは見えない部分に、産後特有の変化が隠れているのです。
■ 産後に起こりやすい体組成の変化
産後の体組成には、いくつか特徴的な傾向があります。まず、筋肉量の低下。特に体幹や下半身は、妊娠中の活動量低下や産後の生活リズムの変化で使われにくくなります。次に、水分バランスの変化です。授乳や睡眠不足、疲労の蓄積により、体内の水分分布が乱れやすく、むくみや冷えを感じる方もいます。さらに見落とされがちなのが、タンパク質不足。忙しい育児の中で食事が後回しになり、量は足りていても質が偏ってしまうことがあります。
これらは「頑張りが足りない」わけではなく、産後という時期の自然な変化です。まずは、からだが今どんな状態にあるのかを知ることが大切です。
■ 不調は「体組成からのサイン」かもしれません
肩こり、腰のだるさ、息の浅さ、疲れやすさ…。これらの不調は、単なる育児疲れではなく、体組成の変化が関係していることがあります。筋肉量が減ると姿勢を支えにくくなり、肩や腰に負担が集中します。体水分が乱れると、冷えやすさや回復の遅さにつながることもあります。大切なのは、「不調=年齢や体質のせい」と決めつけないこと。体は今も育児に適応しながら変化の途中にあります。体組成という視点を持つことで、自分の体を責めるのではなく、「整えていく対象」として向き合えるようになります。
産後のからだは、体重だけでは語れません。今のからだの状態を知ることは、無理に変えるためではなく、これからの育児を少し楽にするための第一歩です。からだは、ちゃんとサインを出しています。
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〜けんさんから一言〜
2026年(令和8年)午年本年もよろしくお願い申し上げます。
今回は、「体組成」について触れてみました。私も、町の事業などで体組成計を用いた運動指導など行っています。おひとりおひとり特徴がでるのも面白いです。特に女性は月経周期によっても結果が異なります。産後間もない時期は、特に変化が異なりますので、一般的な指標とは区別してください。このようなものは、良い悪いとは考えず、「現在地を知る」ことが大切。今のからだを知ることで、何をすべきかを知る。そのような活用が良いと思います。今度、体組成計を子育て新センターに持ち込んで計測してみようかな?その時は是非測定してみてくだい。
★この記事を書いた人★
国保依田窪病院 理学療法士 山﨑 健一(けんさん)
ウィメンズヘルス・メンズヘルスの専門分野を学んでいます
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