Amulette_Vol15

Topic骨盤底筋を鍛えることのメリット

今回から骨盤底筋に関する情報をお届けします.
骨盤底筋への負担が増加する要因の一つとして、妊娠・出産が挙げられます.経膣分娩では、出産時に骨盤底筋が大きく引き伸ばされます.妊娠中は子宮が大きくなることで骨盤底筋への負担が増加しますので、経膣分娩同様に帝王切開での出産でも骨盤底筋への負担は変わらずに生じています。このように妊娠・出産により骨盤底筋の機能低下が生じるため「尿もれ」や「湯もれ」など悩みを抱える人が多くいらっしゃいます.
対策としては骨盤底筋の回復や強化がありますが、今回は、骨盤底筋が機能することで得られるメリットを取り上げてみたいと思います!

骨盤底筋を鍛えることでのメリット(一部を紹介)

骨盤底筋は、「体幹」という、「からだの幹」の安定性の役割を担っています.

骨盤底筋の役割は、尿もれに代表される排泄機能だけではなく、骨盤内の臓器を支えることや姿勢を保ったりすることも重要な働きとしてあります.

インナーマッスルとして、私たちの「動き」の中で要となるような働きをしています.

◆尿もれの予防・改善

骨盤底筋の力が弱くなったり、または硬くなったりすることで、骨盤底筋が上手く働かず、尿もれが起こりやすくなります.鍛えることで予防や改善を期待しましょう.

◆姿勢の改善

骨盤底筋はインナーマッスルとして体幹を支える役割を持っています.鍛えることで正しい姿勢を維持しやすくなります.妊娠・出産に限らず、日頃の姿勢の見直しも重要です

◆腰痛の軽減

骨盤底筋はインナーマッスルとして活動していますので、骨盤底筋を強化することで、腰への負担を減らし、腰痛の予防や改善につながります.尿もれがある人は腰痛が、腰痛がある人は尿もれがある.といった関係もあります.

◆ぽっこりお腹の軽減

骨盤底筋はからだの安定性を保つために必要な筋肉なので、姿勢の改善は図れ、骨盤底筋が働きやすい状態になると、ぽっこりお腹が消えていくことが期待できます.ぽっこりお腹だから「腹筋運動」と思う前に、まずは骨盤底筋を鍛えることをお勧めします.

最近は、「尿もれ」や「骨盤底筋」に関する特集記事も増えています.尿もれに悩む方は少なくありませんが、尿もれのあるなしに関わらず、骨盤底筋を鍛えることにより、からだへのメリットがたくさんあります.巻き肩、背中が丸まる、ぽっこりお腹、腰痛、尿もれなど、これらすべてに骨盤底筋は関わっています.美しい姿勢や歩く姿勢にも影響します.骨盤底筋を鍛えると言っても簡単ではありませんが、骨盤底筋を意識することからはじめてみませんか?

※最後までお読みいただきありがとうございます。内容については、誤解が生じないよう学術的背景等をもとに細心の注意を払っていますが、すべての方に対して、情報の正確性、完全性、有用性について保証するものではありません。可能な限り有益な情報を配信できるよう努めておりますこと、ご理解くださいますようお願いいたします。

〜けんさんから一言〜

尿もれ=骨盤底筋を鍛えるという考え方をどうしてもお伝えしまいますが、骨盤底筋の役割は多様です.性別・年齢問わず、日常場面では必ず使用しなくてはならない筋肉です.それゆえ、骨盤底筋の機能低下はからだや生活に支障をきたすことになります.
妊娠・出産には「尿もれ」という問題があるかもしれませんが、骨盤底筋を鍛えるメリットを知ることで、からだの不調だけでなく、健康的なからだをつくることにも繋がります.
今後、骨盤底筋の位置や動かし方、負担を増やさない(減らす)方法などお伝えしていきます.


★この記事を書いた人★

国保依田窪病院 理学療法士 山﨑 健一(けんさん)

ウィメンズヘルス・メンズヘルスの専門分野を学んでいます

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