Amulette_Vol25

Topic産後の手首の痛み
産後、「手首が痛い」「抱っこすると親指の付け根がつらい」と感じていませんか? 実はこの症状、産後ママにとても多くみられるトラブルのひとつです。特に授乳や抱っこ、おむつ替えなど、手首に負担がかかる動作が増えることで起こりやすくなります。
一時的なものと思って我慢している方も多いですが、悪化すると日常生活にも支障をきたすことがあります。
今回は、産後の手首の痛みの原因と対策について、少し詳しくお伝えします。

■ なぜ産後に手首が痛くなるの?
産後の手首の痛みの多くは、いわゆる腱鞘炎によるものです。特に親指を動かす腱に負担が集中しやすく、抱っこや授乳の際に手首を反らせた状態や、親指に力を入れて支える動作が続くことで炎症が起こります。
また、産後はホルモンバランスの変化により関節や靭帯がゆるみやすく、手首の安定性が低下していることも影響します。さらに、慣れない育児で同じ動作を繰り返すことも負担を蓄積させます。つまり「使いすぎ」だけでなく、「身体の変化」と「生活の変化」が重なって起こるのが特徴です。
■ 悪化しやすい動作とは?
特に注意したいのは、赤ちゃんの頭や体を支えるときに、親指側に力を入れて持ち上げる動作です。このとき手首が小指側に曲がり、親指の腱に強い負担がかかります。また、ベッドや床から赤ちゃんを抱き上げる際に、手首だけで持ち上げようとする動きも痛みを悪化させやすいポイントです。
さらに、抱っこ紐の装着や片手での抱っこ、長時間の授乳姿勢も負担を増やします。加えて、スマートフォンの操作や家事動作でも親指を多く使うため、知らないうちに負担が蓄積します。日常の中の「無意識の使い方」が、症状の長期化につながることがあります。
■ 今日からできる対策
まずは手首を反らせすぎないことが大切です。抱っこの際は手首だけで支えるのではなく、前腕や肘、体幹に赤ちゃんを引き寄せて「面で支える」意識を持ちましょう。また、授乳時にはクッションを活用し、手首にかかる負担を減らす工夫も有効です。痛みがある場合は無理をせず、サポーターの使用や一時的に負担を減らすことも重要です。加えて、前腕の筋肉を軽くほぐしたり、痛みの出ない範囲でのストレッチを取り入れることで回復を促せます。ただし、強い痛みや長引く症状がある場合は、早めの受診をお勧めします。
手首の痛みは「育児をがんばっているサイン」とも言えますが、我慢し続ける必要はありません。少しの工夫で負担を減らし、痛みを予防することができます。毎日の育児を少しでも楽に続けていくために、ご自身の体にも目を向けてみてください。気になる症状がある場合は、早めの対応が回復への近道です。
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〜けんさんから一言〜
痛みは、からだが教えてくれる大切なサインです。「みんな痛いから」と特別なことではないように感じて、そのままにしてしまうこともあるかもしれません。しかし、痛みがあるということは、何かしらの不調が起きている状態です。
長引くことで気持ちもすっきりしない日が続いてしまいます。痛みは当たり前ではありません。
対策や予防のヒントは、日常のちょっとしたからだの使い方にあることも多いものです。気になる方は、ぜひ一度ご相談くださいね。
★この記事を書いた人★
国保依田窪病院 理学療法士 山﨑 健一(けんさん)
ウィメンズヘルス・メンズヘルスの専門分野を学んでいます
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